sealer del sol (シーラーデルソル)

Guapo!WEBマガジン[グアッポ!]

vol.36

アルパインスノーボードレースの
次世代トップライダー、戸田 大也

プロスノーボーダー戸田 大也

photograph / Shuji Tonoki
text / Masahiro Ikeda

大学でスノーボード競技をしつつ
SAJの日本代表強化選手である彼の現在の活動とは

Episode1

小学1年生くらいからスノーボードを始めていた。父がフリーカービングをやっていて、スキー場までは母に送り迎えをしてもらい、楽しい遊びに出会った。とにかくスノーボードが好きだった。中学1年生の頃、テクニカル(滑りの美しさ、正確さなどを競う競技)で全日本選手権に出場したが点数が出ず、人のジャッジで結果が出るのが嫌になり「とにかく速ければいい」というレースに魅力を感じはじめた。その後、中部地区の支部予選のユースのアルパイン競技に出場して2位になり、ますますアルパイン競技が好きになった。
現在、大学の勉学が中心ではあるが、基本毎日トレーニングは欠かさない。雪のない季節は、ジムなどでの陸上トレーニングが中心で、毎年夏は合宿も行っている。冬になると出場する大会を中心に活動、個人で動くことも多い。その他にも、年間を通じて全日本スキー連盟(SAJ)の代表選手の集まりや遠征に参加している。SAJでの活動では、海外遠征や世界のトップ選手が集まる大会への出場もあり、多くの刺激を受けられる。もちろん同じ代表選手からも刺激を受けている。

1_9月、親父と燕岳登頂。 2_9月、中京大学スキー部合宿中での御嶽山登頂。 3_2月、よませ温泉スキー場にてプロ戦3位。 4_2018年12月、ヨーロッパ遠征から帰国時。 5_3月、ロシアで行われたユニバーシアード。

Episode2

一昨年くらいに海外でワールドカップを観戦した。その時感じたのは「意外と遠いな」ということだった。それまでは自分もそこそこ通用するのではと思っていたが、やっぱり世界のトップレベルは違うと思った。海外の上手い選手はコース取りを1ミリもミスしないくらい正確だと感じた。どうしたら近づけるか。やはり経験値を上げることだと感じた。もっといろいろなところを滑って、あらゆる経験値を上げていくことが大事だと痛感した。その経験値の先に、瞬間に感じて瞬間に対応できるようなライディングを目指す。そんな海外のトップ選手との差を感じるとともに、倒す日はそんな遠くないとも思っている。ジュニア選手権やユニバーシアードで世界の選手と戦ってみて、そう思えたのも収穫だった。
日本人は比較的器用だし、言われたことをやるのは上手い。逆に海外の選手はあまり器用ではない分、シンプルな動きや滑りを個人個人が見い出している気がする。個性的でもその不器用な感じがいい滑りに繋がっていると感じた。そんなシンプルな動きを自分も身に付けていきたい。
自分はひとりのコーチに教わるより、いろんな人の意見を聞く。スノーボードをあまりやっていない人にも聞くようにしている。でも全くやってない人に言われることが、逆にいいヒントになる時もある。そんなヒントをきっかけに自分を自己分析してスキルアップを目指す。

Episode3

スノーボードは雪の上のバランススポーツだと思っているので、「バランス」を重視する。バランスボールで遊んだり、スケートボードやサーフィンもひとつのトレーニングだと思っている。フィジカルトレーニングもある程度はするが、自分の中では筋力を付けて速くなろうとは思っていない。
アルパインのスノーボードだけをやることを昨年からやめた。それまでは、どんな場所でもどんな雪質でもアルパインのレースを意識して練習していたが、反復練習ばかりだと、やはりスノーボードが面白くなくなると思うようになっていた。レースの練習になると、どうしてもターンの繰り返しになってしまい飽きることもあり、練習の合間にフリースタイルボードでパークやパウダーに入って遊ぶことを積極的に取り入れるようになった。フリースタイルボードで、パウダーを滑っていても、パークで遊んでいても、ふとアルパインを感じることがある。そうやってスノーボード自体を楽しむことが、自分のモチベーションを維持してくれている。

Episode4

ゾーンについて。たまにまわりが見えないくらい集中している時があって、それまではそれがゾーンだと思っていた。が、自分がプロになった最初の年にアジアンチャンピオンシップで優勝した時は違った。その時は、まわりがすごく見えて、色々な人の会話とかもよく聞こえて、滑っている時もコースの分析に集中できた。レース中に本当に色々な情報が入っていた。その大会では全部が接戦で、となりに競っている選手の存在を感じながら、ギリギリのレースが楽しくて楽しくて、気づいたらレースが終わっていた。その後、これこそがゾーンだと思った。とにかく楽しかったことを覚えている。
今後の目標は、大学4年でユニバーシアードに出場すること。そして将来的な夢は「有名になりたい」って思っている。スノーボードをする子供達がみんな知っているようなスノーボード選手になりたい。そして子供達が「自分もそうなりたい」って思ってもらえる存在になりたい。
そのためには実力や結果が必要。その夢の近道として、オリンピックでメダルを取りたいと思っている。 後、これこそがゾーンだと思った。とにかく楽しかったことを覚えている。
今後の目標は、大学4年でユニバーシアードに出場すること。そして将来的な夢は「有名になりたい」って思っている。スノーボードをする子供達がみんな知っているようなスノーボード選手になりたい。そして子供達が「自分もそうなりたい」って思ってもらえる存在になりたい。
そのためには実力や結果が必要。その夢の近道として、オリンピックでメダルを取りたいと思っている。

Profile
戸田 大也 Hiroya Toda

1999年生まれ。長野県安曇野市出身。2016年SAJ公認 全日本ジュニアスキー選手権大会スノーボード競技GS、SL優勝。2017年第35回JSBA全日本スノーボード選手権大会GS優勝。2018年PSA ASIA championship優勝、2018年SAJ全日本選手権準優勝、2019年ユニバーシアード8位入賞。Sponcer_ウィンクレル株式会社、UPZhardboots、Callafactory、patagonia、snow work shop、Auto way B、スノサウルス、SOLDAwax、ironrock